ヨーロッパ企画「続・時をかける少女」を観て・・・(2018年2月13日夜公演)

アメブロより移行記事/2018年2月25日に執筆)

十数年ぶりにヨーロッパ企画の舞台を観に行く。

初めてヨーロッパを知ってからもうそんなに年数が経っているのか・・・当時は確か京都の劇場だった。将来演劇に関する仕事に就きたい!と、自分でも演劇やったり、役者もやってみたり、でも具体的にどうすればいいのかとモヤモヤとしていた中、すごい衝撃だった。同世代の人たちが既にこんなに面白い芝居を書き、上演している。同じ関西出身、同世代、ただ学歴が全然違う。当時の私は就職に失敗し賢い大学に行かなかったことを深く後悔し、自己嫌悪真っただ中だった。だから彼ら劇団への憧れの一方で、嫉妬という勝手な片思いから、ヨーロッパ企画を観なくなった。

 

あれから十数年、私は未だに演劇ファンのまま、学歴コンプレックスから抜け出せないままであるが、演劇で成功している人たちへの当時のような感情はなく、素直にヨーロッパ企画の芝居を観に行くことが出来た。

 

ヨーロッパ企画と言えば、SFや、ファンタジーの世界観を、とても普通のその辺で見かけるような青年達が演じるコメディで、もちろんオリジナル作品を上演している。しかし今回はオリジナルでは無く原作ありき。あの尾道三部作の一つである「時をかける少女」の続編「続・時をかける少女」。“タイムスリップ”モノは、SF、ファンタジーを得意とするヨーロッパ企画の為の作品じゃないか。

 

大きな期待で観たその舞台は・・・あの頃と変わってなかった。

それは良い意味ではなく、彼らの成長が止まっていると正直思った。

つまらなかった訳ではない、時々クスッとさせてくれ相変わらず楽しませてくれた。ただあの時衝撃を受けたヨーロッパ企画、十数年経ちどんな風に進化しているのだろう?と大きな期待と、その進化に同じ年月を経てまったく成長していない私・・・と、また嫉妬と劣等感に苛まれるのかと、小さな不安も抱いていたけど大丈夫だった。

彼らもあまり成長せず、あの頃の面白い劇団のままだったから。

オリジナル作品では無い、は言い訳にはならないそんな出来映えだった。彼らならもっと面白く出来るだろうに。オリジナル作品では無いことで、片手間だったのか?と邪推してしまうほどだ。

 

舞台は日によって役者の仕上がりが全然違う。同じ台詞で紡いでいくシーンも日によっては演出の思惑通りに笑わせたり、反対に白けたりする。私が観た日が、たまたまそういったコンディションの悪い日だったのか。

それを確かめるため、私はこれを機に再びヨーロッパ企画の舞台を観に行きはじめる。